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January 2009

2009.01.30

経済を知るために読むべき新聞雑誌

世界経済の動きを知るために一つだけ雑誌・新聞を購読するとしたら何が良いか?答えは簡単。英エコノミストだ。他にもいくつかよい新聞雑誌があるが、忙しい日々の生活の中で新聞や雑誌ばかりを読んでいるわけにもいかないし、エコノミストさえ自分のものにしていれば、どんな専門家、つまり学者、経営者、金融マン、官僚、政治家・・・と議論しても知識の質・量で負けることはない。

私が経済誌・紙で定期購読しているのは英エコノミストだけだ。英エコノミストを持ち歩いて、空いた時間にぱらぱらと気の向くままに記事に目をやる、というのが週に一度の楽しみとなっている。ただし、少し前から配達日が土曜日から翌月曜日に遅くなったのは残念。配達会社の問題らしいが、ウェブでは金曜日の早い時間から記事が全部の読めるのだから、何とかならないのか・・・。

エコノミスト以外ではFTやウォール・ストリート・ジャーナルなどにも有益な記事が出ることがある。ただし、私としては大見出しをざっとチェックする以外はブログなどで話題になった記事を拾い読みする、という程度。(日刊紙では内容を掘り下げるのは厳しい面があると思う。仕方ないことだが。)この二紙は有料だが、ニューヨークタイムズをはじめとするアメリカの総合紙の多くは無料でアクセスできる。NYTではポール・クルーグマンの連載が有名。そして他にも一流の書き手による興味深い記事が頻出。これらも自分で探すのはめんどうなので、ブログなどから教えてもらう。一方、ビジネスウィークやフォーブズなどのアメリカの週刊誌は「いくら儲かったか」みたいな即物的な記事が多いので通常は無視。これらとエコノミストと比べるとお国柄が見えてくるように思う。

そうそう、日本の新聞や雑誌もありましたね(笑)日経新聞は「日本のビジネスマンがどんな情報をベースにしているか」を知るためにざっと目を通す。その他の全国紙も読むが、情報源としてこれらの新聞に頼ることほとんどなくなってしまった。それからビジネス週刊誌の何種類かも職場で読める環境にあるのでざっとページをめくるのだが・・・。

番外で月刊誌FACTAについてふれておこう。FACTAは知名度はまだまだだが、しがらみのない立場から深く切り込んだ記事が出ることがあり目を離せない。こういう雑誌がメジャーになると、日本のマスコミも変わっていくと思うのだが・・・。

では。

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2009.01.28

労使問題解決に向けてすぐにできること

このところ労使の問題がクローズアップされているが、これについては、すぐにでも導入できる、というよりもすぐにでも「導入すべき」政策がある。それは年次有給休暇取得の義務化である。

労働基準法39条によると、我が国の企業は「全労働日の8割以上出勤した労働者」に対して年次有給休暇を与えなければならない、とある。日数は勤務年数によるが、6.5年以上勤務していれば20日間の有給休暇を与えるべきとされている。

これは法律にはっきり明文化されていることからも明らかなように、労働者の有する最も基本的権利の一つである。(雇い主による)年次休暇の買い上げが禁止されていることも、その厳格性を示す傍証といえるだろう。それに比べれば、「解雇に関する四要件」(=整理解雇をする場合は「手続の妥当性」「被解雇者選定の合理性」など四つの要件を満たす必要がある、というもの)は最高裁の判例に過ぎない。

このように重要な法令であるにもかかわらず、この規定を無視し、実態上有給休暇を100%とることを極めて困難にしている日本企業は多い。「有給休暇をとるな」と明言するわけではないが、といって「買い上げ」てくれるわけでもない。従業員に無言の圧力をかけて「有給休暇を消化できるのは風邪をひいたときくらい」という状況を作りあげるのだ。

年次有給休暇の取得を徹底させることでどのようなメリットがあるか?
1)有給休暇取得を自粛させるのは違法なのだから、違法な状況を直すのは当然である。(労働組合はこのように重要な問題をなぜ不問にしているのか。コンプライアンス担当者は何をしているのか。厚労省は?)
2)20日の休暇が取れる、というのはすなわち年間労働時間の一割近くが減ることを意味する。これは一種のワークシェアリングに他ならない。休みの日には代わりの従業員がカバーにはいる、という外資系企業などでは当然の仕組みを導入すれば、ワークフローの見直しや内部管理の改善に寄与するだろう。
3)失業率上昇の歯止めになる、経済活動を活発化させる、従業員の心に余裕ができる・・・といった効果もあろう。これらは今もっとも必要とされる事柄であろう。

このところ一時帰休を始めた企業、といった報道をよく目にするが、それをする前にまずは有給休暇をきちんととらせなさい。当たり前のことをきちんとこなすことが状況改善に最も大事だ。それにもちろんサービス残業はすぐ止めなさいね。

では。

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2009.01.27

定額給付金について

今、世間を騒がせている定額給付金についてまとめておこう。

マクロ的に見ると、政府にカネはないのだから定額給付金を払う分は国債の発行でまかなうしかない。その返済については2011年以降の増税で、ということになる。つまり国民からすると一時的に政府から融通してもらうのと同じ。「今から二年間ほど貸してやるからカネを使え」と言われて、皆さん消費にまわしますか?

アメリカではオバマ新大統領が月々40ドルほどの税額控除の方針を打ち出している。タイミング良く、ジェームズ・スロウィキがニューヨーカー誌のコラムで、この効果について興味深い分析をしている。彼の説明を簡単に紹介しよう。

まず、給付金の金額は大きくするよりも小さいほうが消費にまわりやすいそうだ。例としては、イスラエル人がドイツから賠償金をもらったとき、非常に多額の金額を手にした人は一部しか使わなかったが、少しだけもらった人はすべて使い切った。確かに「少しばかりの現金を貯金してもしょうがないから使ってしまおう」という風に考える人は多いだろう。

それと、支払は一度に行わず、何度かに分けて払う方が効果が高い、という。人間は「資産」については貯める方に傾くが、「収入」ならば使ってしまう傾向があるそうだ。これは直観的にも納得しやすいように思う。高級ブランド品を買いまくるのは自営業の資産家ではなくむしろ(それほど高収入ではない)独身OLだったりするが、これも「資産は使いづらい」という特性からきているように思う。

ということで、スロウィキの結論は「アメリカのやり方は意外に効果あるかも」というもの。なるほど。

ひるがえって日本の麻生さんのプランはそれ比べてあまり期待できないと思う。何しろ、少額を一回だけ配る、しかも増税が後で控えている。そんなけちけちしたやりかたでカネをもらったとして、それで「パーっと使っちゃおう」と思う人は、まあいないのではないか。

では。

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2009.01.22

税金に関する質問二つ

ニューヨークタイムズ紙で「米新財務長官のガイトナーへの質問」という記事があった。ミット・ロムニー、アンナ・シュヴァルツ、ロバート・シラーら有名どころ七人の質問が載っている。そのなかで日本の現状にもあてはまる興味深い質問を二つ投げかけたのがマンキュー教授。彼の質問を簡単に日本語に直しておこう。

1. The income tax code favors those with employer-provided health insurance over those who buy their own health insurance or pay medical bills out of pocket. It also favors homeowners over renters, through the mortgage interest deduction. Is this tax treatment efficient or fair? Might you favor a more level playing field?

現在の所得税制では、雇用主が提供する健康保険に入るほうが有利。自分で保険をかけたり、自費で医療費を支払うと損をする。それから、自宅を所有している人は、金利の控除があるので、賃貸の人よりも有利。このような税制は効率が良く、公正といえるか?もっと不公平のないシステムが良いと思わないか?

2. President Obama supports the estate tax. Why should a person who leaves his money to his children pay more in taxes than another person with the same lifetime income who spends all his money on himself?

オバマ大統領は相続税を支持している。子供にお金を残す人がより多くの税金を払い、一方で生きている間にカネを使い切る人の税金が少ないのはなぜか?

ではまた。

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2009.01.21

詰め込み教育が間違っている理由

教育をめぐる虚構と真実 (神保・宮台マル激トーク・オン・デマンド)を読んだ。このペアによる本は今までもいくつか読んできたが、これは中でも出色の一冊だと思う。神保がアメリカで高校・大学・大学院の教育を受けたことが議論に幅を持たせている。

いくつか面白いとおもった発言をあげておこう。(文章は適当に書き換えてあります。)

「ドイツやフランスの学校は純粋に学ぶために存在している。自動車教習所のような存在。そこには濃密な人間関係がなく、従って「いじめ」もない。」

「アメリカでは高校までの教育を大学で学ぶための準備期間だととらえられている。」

「アメリカの一般の高校生の数学の力は低いが、中にユダヤ系や中国系を中心にとんでもなくできる連中がいる。」

・・・・・・

さて、今日はこの本をダシにして教育についての持論を少し述べてみたい。主眼は「早期教育」について。

私はかねがね日本を「早期教育偏重国家」だと考えてきた。(ここで私が「早期」と言っているのは主に十代前半の時期をさしています。)

日本の小学上級生から中学生の頃の学力は世界のトップクラスだ。日本の私立中学・高校の入試問題、特に算数(数学)や理科の問題は恐ろしく難しい。有名中学の入試問題などは理数系を得意とする大人やエンジニアでもなかなか解けない。

あるいはスポーツや音楽の世界でも日本人の小学校高学年から中学生は世界的にみて非常にレベルが高い。日本の中学生のトップクラスが演奏するショパンのエチュード(ピアノ)やパガニーニのカプリッチョ(ヴァイオリン)はその技術的完成度で世界中の音楽愛好家を驚愕させる。

このように小中から高校くらいまでは日本人のレベルは非常に高い。それは日本の教育システムの成果だし、受験勉強のおかげと言えるだろう。しかし筆者のみるところ、高校から大学になる頃、つまり大人になるにつれて日本人は一般的に伸び悩む傾向にある。多くの分野で、大学になるとアメリカ人に追い付かれ、大学院で追い抜かされる。

一方、アメリカでは教育についてもっと息の長いとらえかたをしているようだ。日本人が非常に気にする小学生の基礎力診断テストなどではアメリカの子どもの平均点は低いことは事実。アメリカではおよそ詰め込み教育というものはないし、APやIBのようなエリート教育システムでさえ「答えよりも過程が大事」ということで徹底している。そのため「小学校の或る時点」での試験では日本人に比べて点数が取れないということなのだろう。

しかし、大学・大学院のレベルでみるとアメリカのレベルが高いのは疑いようのない事実。世界の大学ランキングをみればトップの方はハーバードやスタンフォードなど英米の大学がほぼ独占していて、東大や京大はずっと下にある。最近発表されたブッシュ大統領のEconomic Report of the Presidentの「教育」の項をみても「高等教育に関してアメリカは世界で圧倒的な地位を引き続き占めている」と高らかにうたわれている。(リンクを張ろうとしたらすでにオバマ大統領によって変えられていた・・・。)

これはどう説明したら良いか。神保・宮台のこの本で、神保は自ら通っていた某中高一貫校の話をしている。そこでは徹底的に生徒をしごいて東大入学を目指しているそうだ。しかし、このところその高校からの東大入学者数がどんどん減っているとのことだ。これが詰め込み教育の成れの果て、でないといえるのか?(東大入試はこのところ受験テクニックでは解けない問題が多いそうだ。)

どこで聞いたか忘れたが、あるアメリカの知識人がこう言っていた。
「中国が将来アメリカを抜く、などという人がいるが、間違いだ。その国の将来を占うには教育を観察するのが一番。中国ではいまだに記憶中心の教育をさせている。そんな程度の教育を行っている国がアメリカを追い越すことなど不可能だ。」

教育の目的は天才少年あるいは秀才少年を作ることではない。教育はもっともっと長いスパンを考えて行われるものだ。教育行政の原点は「どのような大人に育って欲しいか」というところにある。日本では、中学や高校の試験前に歴史の年号や英単語などを必死に覚え、試験がおわるとすべて忘れる、というようなことが未だに繰り返されている。それらが全く意味を持たないとは言わないが、それで人生体験が乏しくなり、底の浅いつまらない大人を生み出しているリスクがないかどうかの検証は必要だろう。

「ゆとり教育」と「詰め込み教育」の比較評価は小学六年生の学力テストで決めるべきではない。こんな当たり前なことをあらためて言わなければならないほど日本の教育行政のレベルは低い。今の日本は、世界の大学ランキングで日本の大学のランクが低く、英語の運用能力が世界最低レベルで、中高で必死に受験勉強をしても結局はゆとりあるアメリカ人学生に追いつかれ追い抜かれ・・・という状況だ。それでも今のシステムを変えようとはしないのはなぜだろう?

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2009.01.17

腎臓を返せ

最近読んだ三面記事(?)の中でもっとも考えさせられたのが、この記事だ。

49才で医師のバティスタは2001年に愛する妻のために腎臓を提供した。しかし、妻は2003年に他の男と不倫関係となり、2005年にバティスタとの離婚を求める訴訟を起こした。彼は言った「私は彼女の命を救った。この心の痛みには耐えられない。」そこで2009年の1月9日に、バティスタは弁護士を通じて以下の要求を行った。彼の腎臓を戻すか、さもなくば(それに相当する金額として)150万ドルを支払え、と。

この記事の筆者(自身も腎臓移植を受けた人だそうだ)も書いているように、この彼に対して同情しない人はおそらくいないだろう。しかし、問題はこの彼の要求は果たして正当なものかどうかだ。

これは決して特殊なケースと思ってはいけないだろう。この記事によると95%の臓器ドナーは「もう一度臓器移植しても良い」くらいにハッピーだが、それ以外の人は後悔しているそうだ。そうだとすれば、われわれはバティスタの事件を、身近にも起こりえるケースとして考えることが必要だ。彼を(ちょうど「ベニスの商人」のシャイロックのような)人道にもとる冷徹な人間ととらえる見方も可能だろうが、それでは彼があまりにもかわいそうだ。人の善意に寄りかかりすぎてはいけない。彼が妻のためにどれだけのことを犠牲にしたかを考えれば、彼が相当な対価を受けるべき立場にあると考えるのは当然だと思う。どうだろうか。

本記事のもうひとつの柱は臓器移植に対して政府の援助を提案していること。おそらく筆者としては臓器売買の解禁にまで踏み込んでほしいところなのだろうが、まずは段階を経て議論を進めよう、ということなのだろう。現在、臓器ドナーが足りないために数多くの人命が失われていることは事実。それを考えると、もっともっと政府が積極的に役割を果たすべき、という主張に異議はない。


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2009.01.16

若年労働者搾取工場を建設しよう

非常に刺激的な記事がニューヨークタイムズに掲載された。Where Sweatshops Are a Dreamと題されたこのエッセー(何と訳せば良いですかね「若年搾取工場を夢と感じる場所」というのはどうでしょう?)ではスウェットショップ(若年層の労働者を搾取する工場)をもっと作れ、と主張している。

確かに、地球上には最低限の生活も出来ずに飢えと闘っている人達が大勢いる。彼らにとってはたとえ長時間で劣悪な労働条件であろうと、必要な衣食住が確保できるほうが遥かに良い。作者の言う「労働に関する規制を厳しくすると、これらの工場労働者の仕事を奪うことになる」という主張は良くわかる。

勿論、反論もある。これらの工場では経営者が不当に搾取している、賄賂が払われている・・といったもの。まあ、それも正しいだろうが、優先順位が低い課題であるように感じる。

これについては以下のコメントが答えになっていると思う。

I started working at the age of five, in Hong Kong, and never stopped. I still remember those days when getting enough rice, and nothing else, for two meals a day (not three) was a struggle for my mom. Sending me to school took everything we had, including me working after school. At the age of 54, I am an accomplished scientist with a Ph.D. degree now. I would never have gotten where I am without child labor. Thank god for child labor!
— KPC, MD

では。

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2009.01.15

史上最大のネズミ講(続)

バロン紙にメイドフに関する記事があったのを先ほど知った。記事はコチラ

”What We Wrote About Madoff”と題されたこの記事は、バロン紙がちゃんとメイドフについて疑問を表明していたことを伝えている。確かに、こちらに抜粋されている2001年の同紙の記事で、そういう内容が書かれている。

これは新聞社としての一種のアリバイ作りだが、十分納得できる内容だ。但し、それ以降は沈黙を守っていたみたいであるし、もっともっと突っ込めたはずだ、とは言えるだろう。

メイドフのファンドは秘密主義で、通常のヘッジファンドのような手数料を徴収せず、プライムブローカーも使わず、監査も入れず・・・という異常なものだった。興味深いのはメイドフ自身は決して大金持ちにはなれなかったこと。パフォーマンスが悪い時に身銭を切って投資家にまわしていたようだから、それも当然ということだろうか?

では。

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2009.01.14

コーシャーのテイクアウト

ニューヨーカー誌のエッセーより。(要約はこちら。)

ニューヨークのスーパーにいくと否が応でも目に入るのがKosher(コーシャー)の文字。これはユダヤの律法に準拠した食べ物、といったほどの意味。食事に関してユダヤ人の戒律は厳しい。魚はひれと鱗がついていないといけない、肉と乳製品を一緒にとってはならない、虫食った果物や野菜を食べてはならない・・・等々の規定がある。そして、私も初めて知ったのだが、世界的に流通している食品の多く・・・ハーゲンダッツ・アイスクリームからナビスコのビスケットに至るまで、その数なんと五十万種類!・・・にアルファベットのOの中にUのマークが表示されているそうだ。OUとはユダヤ教の"Orthodox Union"の認証済み、を表すとのこと。

と、ここまではユダヤ人にとってはいわば一般常識の範疇だろう。今回ニューヨーカーに登場したエッセーは中国から輸出される食物についてユダヤ人の「認証官」(?)が活躍する話だ。今やユダヤ人にとっても中国から食品を輸入することは避けられない状況。そこで地球の反対側の国で本当に戒律に沿ったものを作っているのかをチェックする専門家が活動することとなった。コーシャーについて中国人に説明するのは言うまでもなく困難であり、その苦労話もいろいろと述べられている。認証官の一人グルンバーグはいう「中国人には二つの宗教がある、一つは食、もうひとつはカネだ。」それをよくわかれば中国人を説得できる、ということらしい。

この記事で私が思ったこと。

「ユダヤ教徒でない私にとっては、食品の安全性こそが最重要課題。世界中でたかだか千四百万人程度といわれるユダヤ人が宗教のためにこれだけの検査をしているのだから、一億人を超える日本国民はもっともっと真剣に食品検査を行うべきではないか。」

では。


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エコノミック・アート

こういうことを思いつく人が必ず出てくるわけで・・・。

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2009.01.13

公共投資か減税か

今は各国で景気浮揚策を競っている局面ですね。でも、どのような対策がより優れているのか、については経済学者の間でも全くコンセンサスが得られていないのが現状です。

それをうまくまとめているのが、このマンキューの記事

景気対策といえばケインズの時代から公共投資というのが定番。これは政治家に人気がある政策だが、それは、政府の裁量で使える金が増えるから。これに対して減税については「そのカネが貯蓄にまわされると無意味」ということで評判はイマイチ。でも、公共投資は無駄が多くなる可能性があるので、無駄の少ない減税による効果のほうが意外に大きい可能性がある。マンキューは減税支持の代表的論客。

ともあれ、こんな基本的なことも全然わかっていないんですよ、経済学というのは。

では。

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2009.01.12

史上最大のネズミ講

バーナード・メイドフによる詐欺は世界を驚かせた。あんな単純なスキームによくもまあ一流と言われる投資家が騙されたものだ。名声を欲しいままにしていたメイドフ。彼に対して正面から疑問をもつ人がほとんどいなかった。これはちょうどバブルが起きると「今回は特別だ。価格が永久に下がらない時代が来た。新しい時代の幕開けだ。」などという人が現れて、皆が疑問を持たないのと似ている。メイドフの場合は、いかに神業といえる驚異的リターンを継続して得ていたとしても「メイドフは天才だから」ということで片付けられていたのだろう。(ちなみに「マードフ」という表記のマスコミが多いのはなぜだろう?)

いや、実は彼を執拗に批判していた人がいた。ボストンの会計士ハリー・マルコポロスである。彼は2005年にSECに対して「世界最大のヘッジファンドはインチキだ」というレポートを提出した。これを含め、マルコポロスは何度もウォーニングを出していた。しかしそれらはことごとく無視された。今回事件が発覚したのは(残念ながら、というべきか)メイドフの自白による。

この記事を読んで知ったのだが、もともとマルコポロスがメイドフについて調べることになったのにはこんな事情があった。彼の勤務先の上司がメイドフの「伝説的なファンド」に興味をもった。そこでマルコポロスに対し「それを分析して同様のパフォーマンスをあげろ」という仕事が言い渡された。

マルコポロスは何度も何度もシミュレーションをした。しかしこのファンドのように(市場が上がろうと下がろうと)ずっと良いパフォーマンスをあげ続けることは不可能だった。当然だ。そこで彼は結論づけた。メイドフはポンジ・スキーム(ネズミ講)またはフロント・ランニング(顧客の注文を受けたら、それを実行するまえに自己の売買をする)のどちらかを行っている、と。

さて、マルコポロスは時の人となった。でも彼はスポットライトを浴びるのが嫌いらしく、マスコミや出版社も手こずっているようだ。

これって良い話だとおもいませんか?

では。

追記
ちなみにあるファンドがネズミ講かどうかを判断するのは必ずしも容易ではない。もしもネズミ講の定義が「新しい会員が支払ったカネを使って古い会員への支払いに充てる」ということだとすると、年金や政府の赤字財政・・・などもネズミ講となってしまう。「将来の世代の負担でカバーする」というのはまさにこの定義に合致するからだ。

それはあんまりだということで「そこに会員を騙そうという意思があるかどうか」で判断すべき、という考え方もある。では財政赤字をどんどん増やしている政府は絶対に国民を騙そうとはしていないと断言できるのか?


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2009.01.11

不動産ノンリコースローン

不動産市場に精通する不動産鑑定士A氏、有名金融アナリストB氏と三人でノンリコースローンについて議論。ノンリコースローンとは返済原資をその物件にのみに限定するタイプの不動産ローンのこと。

破たんしたR-マンが日本で最もやられた金融商品がノンリコースローンであった。外資系投資銀行が全体としてどの程度ノンリコースローンを出していたかの統計はないが、莫大な金額をろくな審査もせずに融資していたようだ。日本の信託銀行もこの分野でかなり積極的だったが、外資系に比べると審査がちゃんと行われていたために問題は限定的のようだ。

本件は米国のサブプライムに類似する問題として大変重要だと思う。さらに研究してから細かく書いてみたいと思います。

では。

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2009.01.08

「総合新聞社」の展望は?

ジェイ・キャスト・ニュースが新聞の問題点についてのインタビュー記事を連載しているが、これがなかなか面白い。何より人選が良い。こういうものは既存の新聞には絶対書けないし、かといってブログや2チャンネルにも真似できない。ネット新聞ならではの記事だと言えるだろう。ぜひ今後もこの路線を継続していってほしい。

「新聞離れ」は日本だけの問題ではもちろんない。英語で世界中に発信できるという強みを持つアメリカの大新聞でも苦しい状況が続いている。この記事には「ニューヨークタイムズが今年五月に紙の新聞を止めてウェブだけになるか・・・」というショッキングなことが書かれている。その真偽はともかく、今のままのビジネスモデルでは早晩やっていけなくなることは目にみえている。

特に我が国では、河内氏も指摘しているように大手新聞社がその本業の企画・取材・執筆・編集のほかに印刷や配送まで請け負っている。同じ家に毎朝それぞれの新聞社の代理店が別々に配達する、などという現状は誰が考えても非効率の極みだ。あるいは取材活動にしても、今のような自前主義は限界に来ていると思う。通信社を活用することはもちろん、テレビ、ブログ・・・など使えるものは多い。総合百貨店や総合電機メーカーが消滅あるいは変貌しつつある中、「総合新聞社」のビジネスモデルの改変は急務だ。(今のような「記者上がり」の経営者達に期待できるか、という問題もあるが・・・。)

でもどんなに経営努力を重ねても限界があるかもしれない。その場合は国あるいは寄付に頼ることも視野にいれることになるだろう。新聞が社会に絶対的に必要だというコンセンサスが得られればそれも可能ではないか。ちょうど教育やある種の芸能に政府の補助があるのと同様に。

国際線のビジネスクラスにとっての最大のライバルはテレビ会議である。わざわざ物理的に国境を越えなくても商談ができるようになると、ビジネスマンの出張が減るからだ。同様に通信技術の発達により紙の新聞の購読者が減ることもまた避けられない運命だ。大胆な改革が望まれる。


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2009.01.05

小口の無担保融資の上限金利

小口の無担保融資の上限金利についてこちらこちらにまとめてみました。貸出金利は借り手の信用力の関数なので、上限金利を設けるということは信用力が低い人が借りられなくなることと結果的に同義。なのにそこをきちんと理解しないまま議論する人が多くてとても残念です。

これからも折にふれて書いていこうと思っています。

では。

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2009.01.04

アスースのノートブックパソコンを使い始めました

年末に購入したノートブックパソコンEee PC S101がすこぶる快調です。

特に気に入っているのは以下の諸点です。
1)軽い(約1kg)のにキーボードが十分に大きく長文の入力も問題ない。画面もまずまずの大きさ。
2)立ち上がりが驚異的に速い。必要なときにネットに接続してすぐに利用できる。
3)ネットがスムーズ。さすがに光ほどではないが、動画も問題ないスピードだし、ビルの中でも意外につながる。(ただし、東京の中心部でイーモバイルを使用した場合です。)
4)電源が長持ち。
5)スリムなボディーにすっきりしたデザイン。
6)そして、最大の特長は勿論「安価」であること。今までノートブックパソコンが二十数万円していたのが嘘のよう。(ただし、イーモバイルの接続料金がもう少し安くなると尚良い。)

さらに、ハードディスクがないので、故障しにくく、また振動に強いとのことです。私のようにネットと原稿書きと、メールと・・・程度のユーザーには必要十分な機能が備わっていると思います。

目下の課題は自宅の無線LAN(光)につなげることです。これがなかなか難しい・・・。

では。

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2009.01.03

2009年の投資対象は?

マーケットがこんな状況だと必ず聞かれるのが「何に投資したら良いですか?」という質問だ。こう何もかも値下がりしてしまうと、少なくとも数か月前よりは今のほうが(株にしても外貨にしても・・・)買うのに良いタイミングだとは言えるだろう。いわゆる「逆張り」の発想だ。ただし、いくら安いといっても今後当分上がらないようだと意味がない。景気が当分良くならないと仮定して、それでも上がる投資商品は何か・・・という問いに答えることが必要になる。

それについてはこちらにも書いたが、今の状況では良質の不動産に投資するのが一番リスクが少ないと思う。ただし、何をもって「良質の物件」と判断されるか、どのように物件を発掘するか、負債サイドをどう手当すべきか・・・については是非とも専門家の判断に委ねていただきたい。このあたりは株式投資と同様の分析が必要になるが、それを面倒くさいと思う向きには薦められない。どんな投資でもきちんとした分析をしなければ、博打と変わらなくなる。

では。

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2009.01.02

Happy New Year

皆様、長い間ごぶさたしてしまいました。まことに申し訳ありません。それでも毎日かなりのアクセスがありました。厚く御礼申し上げる次第です。

さて、大みそかは一昨年に続いて渋谷区神山町のR氏邸におじゃましました。アメリカ人のR氏は米国の某大企業B社の幹部で、日本語が上手。昨年との違いは、すぐそばにお住いのA氏が総理大臣に就任したこと。噂には聞いていましたが、実際に数多くの警官(?)を見て実感しました。

R邸ではR氏および同僚T氏(アメリカからのビジター)と、アメリカでの厳しい雇用状況などについていろいろ話しました。意外なことに、B社あるいはその大きな生産基地があるシアトル(ワシントン州)では雇用の状況はそんなに悪くないらしい。「確かにスターバックス(シアトルの企業)による大規模なレイオフなどはあるが、住宅価格もそんなには下がっていない」そうです。私は、デトロイト(ミシガン州)で千ドル以下の売り家がたくさんある、などという記事を読んだばかりで、アメリカはどこでもひどい状況だろうという先入観念をもっていたのですが、同じアメリカでもミシガン州とワシントン州では全然違うことを知りました。言われてみれば、確かに強力な中央集権国家の日本とはそのあたりが大きく異なるところで、州毎に切磋琢磨していく、というのがアメリカでの経済成長の原動力と言えるのでしょう。

では。


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