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April 2009

2009.04.30

Mr. President, that is not true.

「マネーの虎」については様々な反応をいただきましたが、批判的な意見が多いのがちょっと残念。やはり「政府が金を使えば景気が良くなる」と考える人が多いのでしょうか?そう考える根拠はどこにあるんでしょうか?

これに関連して、アメリカの新聞等に掲載された広告がこちら。ノーベル賞受賞者数人を含む学者たちが「政府支出を増やしても景気は回復しない」という主張をしています。

では。

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2009.04.27

「マネーの虎」を更新しました

昨日から「枝川二郎」の検索からこのブログに入ってこられる方が多いな・・・と思っていましたが、それはジェイキャスト・ニュースの「マネーの虎」を久しぶりに更新したからなんですね。このコラムはしばらくお休みしていましたが、これからまた復活するつもりです。このブログともどもよろしくお願いします。

ちなみにこの景気対策についてですが、我が国には「税金を使うと景気が良くなる」と単純に信じている政治家さんがたくさんいます。あるいは、本当のことはわかっていても、公共事業を行うことで自分の権力やカネにプラスになるので、あえて文句を言わない人もいるのでしょう。いずれにしても、この状況に対してマスコミや学者がまともな反論をしないのは嘆かわしいことです。

では。

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2009.04.26

100兆ドル欲しいですか?

イーベイ(オークションサイト)でジンバウェの通貨が数多く売りに出されています。ここには100兆ジンバウェ・ドル札が9.98(米)ドルなどとあります。NYTのこの記事によると、為替レートは3700万ジンバウェ・ドルが1米ドルだったが、今は同国では通貨というもの自体を止めてしまったので通貨価値はない、ということ。・・・というか、そういう問題ではないですよね。(私も買おうかな、金持ちになった気分を味わうために・・・。)


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waterboardingは

米国のPOWをwaterboarding(水責め、尋問に使う)した日本人がいました。米国政府はその日本人を「十五年の厳しい労働」の刑に処した、と報道されました。しかし、実際は彼は東京裁判で処刑されたそうです。マケイン上院議員もそのように証言しています。そのため、このようなお詫びの記事が出されました。

これが、どう問題となるのか?実は、この件とは逆に、CIAがwaterboardingを行ったとされるケースがこのところいくつか見つかっているのです。それをどうとらえるか、waterboarding(水責め)は拷問か、そしてそれを行った人を処罰すべきか・・・こういう点について議論が起きています。

右翼の人はwaterboardingは拷問でないと言ったりしている。でも他国の人は死刑にしておいて、自国の場合は無罪放免・・・というのはおかしいでしょう。

waterboardingが拷問でないということはありえない、と私は思います。

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2009.04.25

キューバの今後

先ほどキューバについて議論しました。私の発言の要旨を以下まとめておきます。

「半世紀前に起こったキューバ革命だが、キューバはその直前には実は豊かな国だった。1957年には一人当たりGDPは日本より上だったほどだ。しかも中産階級の割合が高かった。そこにカストロが革命を起こし、共産主義国家へと変貌を遂げた。つまり、キューバの現政権は、その出自からして胡散臭い面があった。

そして、いわゆるキューバ危機などを経て、今から二十年前にソ連が崩壊し、支援がとだえた。一方でアメリカは経済封鎖を徹底させた。その結果、キューバ経済は窮地に陥った。本年、米国でオバマ政権が誕生し、「雪解け」への期待が高まった。

今後キューバはどのようになっていくか?おそらく二つの可能性がある。民主主義化を成し遂げた東欧諸国のようになるか、それとも共産主義的な政策を頑なに堅持して北朝鮮のようになるか、だ。カストロの弟に政権が「禅譲」されたのは良くない兆候かもしれない。アメリカのように「民主主義化しなければ経済封鎖は解除しないぞ」という態度では、民主主義化の実現は遠のくばかりではないか。」

これに対し、M大学のTPC教授はこう言った。

「米国政府は無能。いままでCIAを中心にいろいろ努力したはずなのに結局キューバの状況は変わっていない。アイゼンハワーは当初のカストロ政権を認識していたが、企業の国有化が始まって撤回した。アメリカは「社会主義化」に過度に神経質になる傾向にあり、それ対峙するとKneejerk reactionに走ってしまい、現実的な対応ができずに失敗してしまう。経済封鎖は何のために行っているのか・・・。」

では、失礼します。

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2009.04.24

燃えるのは止められない

エネルギーとCO2について興味深い文章がありました。備忘録として。


炭素権売買は現代の免罪符だ。5トンの炭素(平均的アメリカ人が一年に排出する量)を購入するのに500ドル。四人家族で2,000ドル。それにブラジルの四家族の分も加え、十年分で40,000ドル払えば罪が消せる・・・?

先進国のわれわれが世界の炭素をコントロールしているのではない。中国は石炭によって年100ギガワットの電力を得ている。これはアメリカの石炭消費の三年分に当たる。我々は世界の五十億人の貧しい人が炭素を燃やすのを止められない。

専制君主に支配される十の国が世界の80%の石油をコントロールしている。これは量で一兆バレル、金額で四十兆ドルだ。これを彼らは一バレルあたり10ドル以下で削掘できる。この宝の山を彼らが手放すことはありえない。そして、もっと大きな炭素源は石炭。これがほとんど一兆トンある。それから第三の炭素源が熱帯雨林とその土壌。今後もこの三つから炭素を排出していくことだろう。

世界最大の炭素排出国はアメリカではなく中国。京都議定書では先進国と途上国で基準を別にしている。途上国の人口の増加と経済発展を考えると、これから炭素が減ることはありえない。

代替エネルギーは現実的ではない。化石燃料は非常に安い。大地の力で手近なところにエネルギーの塊が作られている。石炭の山を見つけさえすればショベルで莫大な量のエネルギーを運び出すことができる。風力や太陽光でそれを代替するのは厳しい。

そこで注目されるのが核燃料。スリーマイル島の事故で実害はなかった。反核活動家のためにアメリカで年に四億トンの石炭が消費されている。もし計画通りにアメリカの原子力発電所の建設がなされていたら米国が京都議定書から離脱することはなかった。しかし巨大な初期費用がかかることと、信用できない政府の問題がある。

・・・と続いてきて、「産業は安価な労働力をもとめるのと同様に安価なエネルギーを求める。グーグルはサーバーをリトアニアに移す計画をもっている。その78%は原子力から得られる」

で、結論は「炭素が排出されること自体は認めて、それを吸収して地球に戻す努力を続けよう」というもの。

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2009.04.23

金融危機はオイルショックが原因?

カリフォルニア大学(サンディエゴ)教授、というよりも有名ブログEconbrowserの主催者として有名なジェームズ・ハミルトン氏が刺激的な論文を発表した。これによると、現在の不況の原因は2007から2008にかけての原油価格の高騰であったという。その主張は「原油価格の高騰が経済問題の原因のすべてを説明できる」というくらいの強いものだ。この中身についてはこちらに手際よくまとめられているので参照いただきたい。特にGDPと原油価格との連関性を示すグラフがその中心的論拠なので必見だろう。

非常に興味深い見方だが、私としては半信半疑といったところ。確かに、原油価格の高騰が不動産バブル崩壊の引き金になった、あるいは引き金の一つになった、ということは言えると思う。ただし、それがほとんど唯一の原因だった、というのはどうだろうか。原油価格にかかわらずバブルは膨張していたのだが・・・。

そして今は原油価格は大きく下落している。ということは、これから景気が良くなる、ということだろうか・・・。そう単純なものではないように思える。

では。


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2009.04.21

グリーン・ニュー・ディール

オバマ大統領のグリーン・ニュー・ディールが喧伝されている。環境に良くて、経済効果もあり、雇用も増える、という。しかし、それは甘い、というのがこちらの主張。新たに雇用が生まれる面もあるが、雇用が減る分野もある。トウモロコシから作るエタノールはそもそも補助金漬けで、石油よりも二酸化炭素の排出が多い。中国の自動車保有台数が増加することで環境悪化が進む・・・。注目すべき論文。

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2009.04.19

CDSについて(ちょっと専門的です)

CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)とは企業等が倒産する場合に備えて売買される一種の保険。生命保険の場合は死亡時に保険金が払われるが、CDSでは企業が借金の返済ができなくなったときに払われる。だから自分が金を貸している企業が危ない、と思ったらCDSを買えばよい。ただし、みんながその企業の将来に不安を持つ場合はその保険料も上がることになる。

CDSについて書くべきことはいろいろあるのだが、今日はファイナンシャルタイムズのこの記事についてまとめてみよう。ここではAtibiBowater社(カナダ最大の大手製紙会社)が破産となった経緯が書かれているが、重要なのはCDSが果たした役割。

一般に、企業が破産すると企業・債権者の両者にとってダメージが大きいので、何とかそうならないよう交渉を重ねることになる。債権者が譲歩して、金額を減らしたり、金利を減免したりして、企業の再建を期する、という手法がとられることが多い。

しかし、CDSの登場によってこの図式が変わってきている。自分が貸している部分について100%CDSでカバーされている債権者は「譲歩するよりも破産してもらった方が得」だからだ。今回のAtibiBowater社のケースでは、これが原因で大手債権者の一部が再建策に同意せず、破産に追い込まれた、とある。

重要なポイントだ。さらに言うと、CDSの問題は原債権の債権・債務をめぐる法律問題に限られない。CDSはマーケットで誰でも買えるのだから、どこにそれが潜んでいるのかまったくわからない。AIGがなぜ救済されたのかというと、債権者の問題というよりも、AIGが巨額のCDSをはんばいしていて、それにゴールドマンサックスやメリルリンチなど多くの世界的投資銀行が乗っかっていたからだ。「雨が降ると桶屋が儲かる」というが、その逆というか何というか・・・。こちらもどうぞ。

追記
本件に関する記事をこちらにも発見。本件の重要性を否定する論調。ただし、その主張は同意し難い。言われているポイントは二つ。ひとつは、あなたがCDSを買いたい時に都合よく売ってくれる人がいるのか、そんなにうまい話はないのではないか、というもの。もうひとつは、破産などという面倒くさい状況を待つより、CDSを売ってしまうほうが楽に儲けられるはずだ、というもの。前者はまったくナンセンス。後者については「投資家はそういう点なども考慮しながら、もっとも有利な手段を選択する」ということだ。破産のほうが有利だと思えばそうする、それだけ。


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2009.04.14

米国の健康保険はそんなにひどいか?

アメリカの健康保険がいかにひどいか、については良く話題となる。多くのアメリカ人が健康保険に未加入、医療費がべらぼうに高い・・・等々、その評判は散々だ。(それに比べれば日本は国民皆保険だし、医療費も比較的安い・・・ということになる。)

確かに、アメリカで2007年に健康保険に入っていなかった人は合計45,700,000人いたとされる。六人に一人が未加入ということだ。しかしこの数字は現実をかなり誇張して伝えている、とこのサイトは解説している。

― 45,700,000人の内の6,400,000人はMedicaidかS-CHIPという政府の二つの健康保険に加入している。
― 4,300,000人はこれら二つの健康保険に未加入ではあるが、必要あらばいつでも(たとえば救急車で病院に運ばれたら即)加入できる。
― 9,300,000人は外国人。
― 10,100,000人は健康保険に未加入であるが、貧困レベルの三倍以上の収入がある。これは独身男性では33,200ドル(3,320,000円)以上、独身女性の場合は21,000ドル(2,100,000円)以上を意味する。四人家族の場合62,000ドル(6,200,000円)以上。
― 5,000,000人は18歳から34歳の独身男女。

― 残りの10,600,000人が、上記以外の保険未加入者だ。この人たちこそが政府の支援で健康保険に入る必要性が最も高いアメリカ人、ということになるだろう。

10,600,000人ということは人口三億人強のアメリカの3%台となる。日本なら「このくらいの数なら国の負担で全員を保険に入れてしまおう」とおそらく考えるところだ。アメリカとしても必要と判断すれば財政出動、ということになろうが、そのようなことを安易に行わないのがアメリカという国だ。国が面倒をみることに強い心理的抵抗がある。

日本とは大いに異なる文化を理解しないと、この問題の本質を見誤ることになるだろう。

では。

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バイオ馬鹿?

環境問題についてはおかしな議論がまかり通ることが多いが、これはその一例。

バイオ燃料は環境問題の救世主のように言われることがある。アメリカをはじめ、多くの先進国では巨額の予算を計上し、化石燃料からバイオ燃料への転換を図っている。

おかしな話だ。バイオ燃料は植物を燃やすことでエネルギーを取得する。そのため、その一連のサイクルを考える限り、二酸化炭素の量は確かにネットでプラスマイナス・ゼロとなるので、問題はないように見える。しかし、植物を育てるために、莫大な数の木が切り落とされていることを見落としてはならない。パーム油は熱帯雨林ほど二酸化炭素を吸収しないので、石油の十倍の二酸化炭素を排出する、とこの記事にある。記事のタイトルは「バイオ燃料は熱帯雨林にとって最悪の敵」。

一方、バイオ燃料は亜酸化窒素を排出するのが問題だ、とこちらの記事は指摘する。亜酸化窒素はあまり一般的な物質ではないが、地球温暖化についての寄与度をみると、二酸化炭素の何と三百倍もの力があるという。このエコノミストの記事のタイトルはバイオ・フューエル(バイオ燃料)ではなくバイオ・フール(バイオ馬鹿)となっている。そんなタイトルをつけざるを得なかったエコノミスト誌の気持ちをくみ取りたいものだ。

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2009.04.11

正直者はバカをみる?

「囚人のジレンマ」の理解の助けになる、としてマンキューのブログに紹介されていたビデオ

自分がSplitで、相手がStealならば相手が十万ポンド受取り、自分はゼロ。
自分がStealで、相手がSplitならば自分が十万ポンドを受取り、相手はゼロ。
自分も相手もSplitならば五万ポンドずつ受け取る。
自分も相手もStealならばどちらもゼロ。

通常の囚人のジレンマとは微妙にシチュエーションが違うが、心理戦であるところは同じ。男性と女性の対照的な対応と表情が見もの。女性はテレビ番組なのに良くもまあ・・・。


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Googleトレンド

googleトレンドが経済予測に有効、という主張が議論を呼んでいます。私としては現時点ではなんとも言えませんが、wiki的「集合知」の一例となる可能性はあると思います。

ためしにgoogleトレンドで"world baseball classic"と入れてみました。すると、言語ランキングの上位は以下のようになりました。

1. Korean
韓国語

2. English
英語

3. Japanese
日本語

4. Spanish
スペイン語

5. Chinese
中国語

やはりWBCに関しては韓国国民がもっとも熱狂的だった、ということでしょうか?

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2009.04.10

北京にて(その2)

中国の人って何と器用で繊細なのだろう、と思うことがあります。たとえば字が上手なこと。そこら辺の人にちょっと住所や名前を書いてもらっても、美しいことが多くて驚かされます。(日本人と違って漢字だけしか使わない民族であるところが有利なのだろう、などと思うのは単なるひがみ根性か。結局は才能と訓練ということでしょうね。)あるいはマッサージの技術の素晴らしさ。これはいわば中国の「国技」と言えるかもしれませんが、優れたマッサージ師は最初に体を一通りチェックすることで、凝っている個所から体調まで察知してくれます。あとは問題点を重点的に揉んでくれ、一時間後には血のめぐりがよくなってぽかぽかしてきます。日本にもそういうマッサージ師はいるのでしょうが、数は少ないと思います。(それに料金も違います。)

でも多くの日本人が中国人の技量を文句なく評価するのは中華料理でしょう。今回は「食」に一つの重点を置いていたので毎回異なる料理店に行きました。番外では宿の近くの屋台で朝食に買った肉まんがおいしかった。一個3.25元(約五十円)。中国の餃子や肉まんは皮が手作りなので噛めば噛むほど味が出て格別です。

有名店では以下の三店に行きました。

1. 厲家菜
2. 晋陽飯荘
3. 豊澤園飯店

厲家菜は二回目の訪問。同店は六本木ヒルズに店を出してから日本でも有名になりました。私は東京店に行ったことはありませんが、コースが一万八千円からとあります。北京の本店はコースのみで230元(約三千六百円)から。店は「絶対こんなところにはないだろう」と思うフートンのそのまた細い路地を入ったところにあります。今回は本来のシャビーな建物ではなく隣の比較的新しそうな建物の部屋に案内されましたが、昔ながらの雰囲気ではなく、かえって興ざめしました。しかし料理は相変わらずのクオリティ。最初に十皿出るお決まりの前菜からして、どれとして似た味付けがなく、微妙なバリエーションが素晴らしい。そしてメインは八皿。最後の北京ダックまで質量ともに圧倒させられます。何の変哲もない平凡な内装とそっけないサービスは気に入らない人もいるでしょうが、味だけに集中していると思えば気になりません。山本益博氏によると「東京店の味は北京の本店に及ばない」とのことです。東京店に行かれた方はなおさら北京に一度行かれることをお薦めします。

晋陽飯荘は山西料理の名店。私のひいきの店で、四回目の訪問です。確か山西省の経営ということで、サービスはそっけなく、夜九時には有無を言わさず追い出される、など気に入らない面もあります。でも料理は何を食べても外れがありません。鴨の料理が有名ですが、今回私が食べた「晋陽過油肉」(肉の炒め料理)も絶品でした。それから麺類も良い。うどんは日本のうどんよりも数段コシがあり、噛んでいくと何とも言えない味わいがします。もちろん刀削面もお薦めです。

豊澤園飯店は山東料理の店として名高い。今回初めて訪れました。何といってもナマコが有名で「ナマコの概念が変わる」などと言われますが、あまり得意ではないのと値段が高めなのでパス。他にさそり、スッポン、サザエ・・・などもメニューに見えます。結局は野菜中心の食事となりましたが、そのせいか一人千円以内、という超リーズナブルの値段になりました。なじみのない料理ばかりながらどの皿も大満足。豪華な内装、気遣いあふれるスタッフも素晴らしい。

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2009.04.09

Cycle-proof regulation

ラジャン(前IMFチーフエコノミスト)がエコノミスト誌で銀行の自己資本規制について興味深い提案をしています。

以下、骨子をざっと訳しておきます。

「景気のサイクルが谷にあるときは、規制の必要性が低い。逆に、サイクルが山のときは市場が自らうまく機能するという風に誤解されがちだが、実はシステムが一番危ないときだ。景気の波に影響されないような規制が必要だ。」

「そこで、景気のサイクルと逆になるように「景気が良い時こそ銀行の自己資本を積ませる」という提案がなされることがある。しかし、このような政策はその意図に反してうまくいかないのではないか」

「規制が成功するのには三つのCが肝要だ。すなわちComprehensive(包括的) Contingent(条件に応じて変化する)Cost-effective(費用対効果に優れる)。」

「銀行に恒常的な資本増強をさせるのではなく、銀行あるいは金融システムが問題にあった時に資本が注入される、というアレンジを(前もって)させておく。このようなアレンジは状況の良い時にされるので、コストが安く、実行しやすい。資本注入の可能性は低いと考えられるので、将来の資本注入をあてにしてリスク資産を増やすといったことはできない。資本注入は状況が悪い時に(資本が過少になったときに)行われるので、金融システムと納税者を守ることになる。」

「一つのやり方は銀行に対し、以下の二つの条件の両方を満たした場合に、株式に自動的に転換される債券を発行させる、というもの。一つは金融システムが危機的状況に陥ったとき。二つ目は銀行の自己資本比率が一定の値を下回ったとき。・・・」

・・・まだ続きますが、ご興味のある方、特に金融の専門家はぜひ原文をお読みください。これらの案にはそれぞれ元となった(別の筆者による)論文があるようなので、私もこれから読んでみます。

今はひとつだけ私見を書いておきましょうか。「景気が良い時こそ銀行の自己資本を積ませる」というのは、私も提案しているものです。これについてラジャンは批判していますが、私は結構良いものだと思っています。景気の高低は資産価格(不動産、債券、株式・・・)の高低と基本的に連動しますから、資産価格が高い時にこそ将来の潜在的下落に備えて自己資本を増やしておく、というのは十分意味があると思っています。

では。

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漁業とモラルハザード(続)

以前の漁業に関する記事について「元漁師」さんよりコメントをいただきました。御礼申し上げるとともに、私見を述べさせていただきます。

「日本の社会システム自体に欠陥があるので漁業を立て直そうにもできない。」という元漁師さまのご意見に100%同意します。今まで政府の各省でいろんな「改革」がなされました。それらはもちろん十分ではないにしても何がしかのチェンジがあった。しかし農林水産業だけは省が単独で残り、政策の基本は変わらずに残っています。

ご紹介いただいた勝川氏のブログの基本的主張に大賛成です。「長期的な視野を持たなくてはならない。大局的な戦略を持たないとならない。その上で、日本漁業を守ることの意味を問い直さなくてはならないだろう。」というのは素晴らしい。

蛇足ながら、素人として細かいところで気がついたことを書いておきます。

勝川氏は書きます。「(ノルウェーの)労働者の流動性は高く、OECD諸国でも失業率は最低レベルであり、長期失業者も少ない。社会構造として、漁業を離れても生活の不安が少ないのだ。」これはどうでしょうか?ノルウェーの失業率は確かに低いですが(3.1%),日本も長い間、同程度の水準でした。このところ上昇して4.4%にまで上がりましたが、100人あたり失業者が3人というのと4.5人というのは、漁業就労者について考える場合に有意な差とは言えないと思います。(失業率が15.5%のスペインや11.2%のベルギーならば・・・。)

より重要な問題は漁業就労者が既得権で守られているかどうか、にあると思います。失業率の高低や雇用の流動性あるいはワークシェアリングの状況にかかわらず、オイシイ思いをしている既得権者は何としても職を守ろうとするでしょう。逆に、普通の労働者は誰も守ってくれないので今のような厳しい環境でどんどん職を失っていますし、それが失業率の上昇となってます。日本の漁業に関して考えると、漁獲高も漁業就労者の総数もどちらも確実に減少してきたのですから、基本的には単純に経済合理性で動いてきたようにみえます。(誤解があったら指摘してくださるとありがたいです。)

この問題は環境問題の一種です。環境に悪影響を与えるビジネスは、まわりまわって自分の首をしめる、ということですよね。素人的には「海は一つなのだから、京都議定書の漁業版を作ったらどうか」などと考えたりします。ちょっと変ですか?

ちなみに元漁師さまの「アメリカ云々」については私の一応専門分野ですが、今一つ理解できませんでした。あしからず。

では。


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2009.04.08

北京にて(その1)

約二年ぶりに北京に来ています。ちょうどオリンピックをはさむことになり、北京の街の風景や人々に変化を自分なりに感じることができるような気がします。

前回の時はそこかしこでビルを建設していました。今回はそれも落ち着いたようですが、ともかく北京の周辺部を中心に高層ビルがそこかしこに立ち並んでいるのには驚かされました。その数においてはすでに東京を超えていると思います。ただし質がともなっているか、というとどうでしょうか・・・。たとえば多くの高層マンションでエアコンの室外機が無防備に外壁に直接取り付けてあったのを目にしました。もしネジが外れたら地面にそのままずり落ちてしまいます。そのときに人が下を通っていたら、と思うとぞっとします。それから建設中の多くのビルでは、何と足場に竹を使っている。かなりの高層ビルでもそうです。どうも「リスク」の概念が日本とはちょっと違うような気が・・・。

ともあれ今の北京は高度経済成長期の日本をトラックバックして見ているようなところがあり、何だかなつかしい感じを覚えます。たとえば・・・
― 昔ながらの胡同(フートン、北京風長屋とでも言いましょうか)の多くが消え去り高層ビルに取って代わられた。町並みが大きく変貌を遂げた。
― 人々の服装が垢ぬけてきた。以前は日本人と中国人は見かけで一瞬に見分けがつきましたが、今はわからないこともあります。
― 車社会になった。
― 地下鉄の路線がどんどん増えている
― トイレが洋式になってきている(まだ少数派ですが)。
― 西欧風のスーパーが進出しだした。ちなみにウォルマートに行ってみました。大きなスペース、豊富な物量、動く歩道でレジに行くところ・・・など本家を彷彿させます。中国製ばかりを売っているのもアメリカのウォルマートと同じ、と言えるかもしれませんね(笑)

一方で、北京の人たちの人情は基本的に変わらないように思えます。たとえば街中の安全な感じは相変わらずです。(一概には言えないでしょうが、私の経験ではそうです。)多くの人々の生活レベルは相当低いはずですが、犯罪率はかなり低いのではないでしょうか。貧しい中でも誇りを持って暮らしている、そんな姿が頭に浮かびます。比較の対象にしては申し訳ないですが、南米のいくつかの国、あるいは人々の豊かさでは中国をはるかに凌駕しているはずのスペインやイタリアあたりでも、街を歩いているとスリやひったくりにあうことが少なくないですよね。その違いはどこにあるのか、色々と考えさせられます。

それから若い人が多くて活気に満ちている。レストランのウェイトレスは大半が十代後半くらいの女の子で、おそらく地方から上京してきた子が多いのでしょう、初々しい対応をしてくれます。街を歩いている人の平均年齢は東京より十歳くらい若いように思えました。何度か地下鉄にも乗りましたが、お年寄りが乗ってくると若い男女が当然のようにすっと立ち上がって席を譲る。一度など、それでも席につこうとしない老人に対して青年が「遠慮せず早く座りなさい」とばかりに(実際に何といっていたかわかりませんが)肩をたたいて促していました。この辺は日本の若者が学ぶべきところでしょうね。

一方、交通マナーの悪さは相変わらず。とにかく「譲り合い」という概念がないようで、車も歩行者も少しでも先に行こうと争っています。特に、車の運転は乱暴の一語。タクシーで助手席に乗ると冷や冷やさせられっぱなしです。それでも、傷がついている車を見るのはまれですから、皆さんよほど運転技術が高いのでしょうかね(苦笑)。それから、日本では当たり前の「歩行者優先の原則」がここでは存在しないようです。むしろ歩行者のほうが車にぶつからないようによけて歩く、という感じです。(まあ、日本でも今ほど自動車が普及していなかったころは車が我が物顔で闊歩していたような記憶もなきにしもあらずですが・・・。)

では今日のところはこの辺で。

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2009.04.06

更新が滞っていてすみません。

今、北京にいるのですが、ネット環境が悪くて記事が書けません。もうすぐ東京に戻りますので今しばらくお待ちください。

枝川二郎

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